「G.B.C. の回答の長さはどのくらいがいいのか?」とよく質問されます。
まず頭の中に浮かび上がる返答は、”How long is a piece of string?※1(予測がつきません!)”です。しかし、これでは聞き手にとって役に立たない情報ですので、実際は、この2点を主に頭に入れて回答するようにアドバイスしています:
- 質問の内容。もっと深く掘り下げた回答が必要になる場合もあれば、そうでない時もあります。
- 答えられる内容。こちらは実際に回答する内容と英語力を両方指します。
試験官がスコアを高く評価できる回答は、英語力をしっかりと見せ、質問を充分に答えられる内容を話す必要がありますが、話が長くなり過ぎると説得力とインパクトがなくなります。要するにバランスが必要なのです。
「あまり話さなければ、ミスも少なくなるだろう」と、簡潔に回答をする人もいます。しかし簡潔過ぎると試験管が評価出来るポイントが限られてしまうため、得策ではありません。スコアも低くなります。
逆に「もっと詳細を入れて話した方がいいよ」と勧めても、多くの方は脈絡のない話を進め、結果的に説得力がなく、要領を得ない回答をしがちです。
悪い回答の特徴
日本語で回答の締めくくりに「以上です」と言う様に、英語でも “Finish” や “That’s all” 等の締めの言葉が自然に出てしまった場合は、長く話し過ぎたサインです。また逆に1、2行だけの簡単な文で終わった場合は、回答が足りていないサインです。更に付け加えますと、英語の場合は argument の結論の部分に “Finish” や “That’s all” と締めくくりませんので、ご注意ください。
良い回答の特徴
良い回答にはこの様な共通点があります:
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序論 (introduction)、理論 (reasoning)、証拠 (evidence)、説得力のある結論 (conclusion)が、分かりやすく構成されてます。
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明確な回答をしている上に、聞き手にとって興味深く話されてます。
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回答に必要なだけの時間を取り、必要以上に延々と続きません。
G.B.C.テストに向けて、上手に構成された回答を導き出せるトレーニングをご希望の方は、是非私共の Speaking Test Strategies コースをお試し下さい。G.B.C.スコアを上げるために、自分の考えを整理し、英語力を効果的に相手に印象付けるトレーニングが出来ます。
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※1:“How long is a piece of string?” 「紐の長さってどれくらいだと思う?」- はっきりとした答えがない質問に対して、ネイティブの人が使うフレーズです。「紐の長さってどれくらいだと思う?」はあくまでも直訳です。もちろん、話し手の言い方にもよりますが、予想がつかないという意味が含まれます。
<例>
A: How much does it cost to rent an apartment in Tokyo?
東京でアパートを借りる場合、家賃はいくらになると思う?
B: How long is a piece of string?
紐の長さってどれくらいだと思う?
要するに紐はどんな長さにもなります。そのためこの場合は、このように伝えたいのです:
「時と場合によるよ。もう少し詳しく教えて。アパート、一軒家?予算はいくら?都内のお洒落な駅付近に住みたい?下町がいい?」
東京の賃貸物件の家賃は、広さ、場所等の条件によって様々です。同様にG.B.C.の質問や回答者の英語スキル等も多種多様ですので、G.B.C.の質問に対する回答の長さに対する正解は、一概には言えないのです。