進化し続けるサウジアラビアのコンサル業界

By Reina on 8月 25 2025
リヤドの夜の街の明かり

長年にわたり、サウジアラビアのコンサルティング市場は好景気に沸いていました。世界中の大手ファームにとってはビジネスの宝庫であり、優秀な人材を引き寄せる磁石のような存在。成長率が驚異の38%に達する年もあったほどです。しかし、今、その勢いに変化が生まれており、この新たなダイナミクスを理解することが、この重要な地域で活躍するコンサルタントにとって不可欠になっています。

現在、サウジ政府、とりわけ強大な影響力を持つ公共投資基金(PIF)は、外部アドバイザーへの支出を厳しく見直し始めています。これはちょっとした微調整ではなく、大きな戦略的転換です。リヤドは、ネオムなどの壮大な「ギガ・プロジェクト」から実際の成果を見たいと考えています。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による「ビジョン2030」へ巨額の投資を行った今、焦点は明確に「賢い支出」へと移っています。

変化を促す要因とは?

PIFからの新規アドバイザリー業務を1年間禁止されたPwCの事例は、強烈なシグナルでした。PwC中東が26%という高成長を記録していても、この措置は政府内における“コンサルタント疲れ”が顕在化していることを示しています。あるネオム関係者は、コンサル費用に対する「巨大な不安」があると語ります。

こうした厳格な見直しの背景には、いくつかの重要な要因があります:

  • 財政の現実:原油生産量の減少や価格の軟化が起これば、当然ながら政府予算にも影響します。経済の多角化が進められているとはいえ、石油輸出はいまだ大きな柱です。
  • 説明責任:多額の投資を行った後、王国は現在、プロジェクトからの明確な進捗と測定可能な成果に厳しく目を光らせています。キーワードは「説明責任」です。
  • ニーズの変化: 必要なアドバイザリー業務の種類が変化しています。初期段階ではプロジェクトを立ち上げるための広範な専門知識が必要でしたが、今や政府は複雑な実行と戦略的開発のための高度に専門化された知識を求めています。

コンサルタント業務への影響

市場の成長が鈍化し、競争が激化する中で、いわゆる「買い手市場」が形成されています。クライアントはより自由にファームを選べるようになり、料金交渉の力も高まっています。現地コンサルティングファームの利益率は、わずか2年前と比べて40〜50%も削減されているケースもあります。サウジの省庁では「上司がコスト削減を求めている」という言葉が、日常的に聞かれるようになっています。

とはいえ、こうしたプレッシャーにもかかわらず、サウジアラビア市場には依然として大きなチャンスがあります。政府はさまざまなプロジェクトへの巨額投資を継続する姿勢を保っており、たとえば2029年のアジア冬季大会のような期限付きプロジェクトも控えているため、コンサルティングスキルへの需要は今後も堅調に推移する見込みです。

この変化する環境において、コンサルタントに求められるのは「適応力」です。より厳しい目を持つクライアントと、競争が激化する環境をうまく乗り越える必要があります。明確で測定可能な価値を示し、的を絞った専門性を提供することが、単なる優位性ではなく、生き残りのために「不可欠」となるのです。爆発的な成長の時代は終わりを迎えつつありますが、柔軟に対応し、唯一無二の価値を提供できるファームにとっては、依然として魅力的で力強い市場であることに変わりはありません。