コンサル英語 vs. TOEIC英語:その違いとは?

By Reina on 9月 3 2025
TOEIC対策本の山

一流のコンサルティングファームで働きたいと考えているなら、英語力が不可欠であることはすでにご存じでしょう。多くのビジネスパーソンが、自分の英語力を証明するためにTOEICなどの試験を活用しています。TOEICは、ビジネス英語の基礎力を測る優れた指標です。しかし、実際のコンサルティングの現場で使われる英語は、試験で問われる英語とは大きく異なります。

では、TOEIC英語とコンサル英語には、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?

TOEIC英語とは?

TOEIC(Test of English for International Communication)は、ビジネスシーンでの英語運用力を測る試験です。主に次のようなスキルが問われます:

  • 文法の理解:英語のルールを正しく理解しているか?
  • 語彙力:ビジネスで使われる幅広い語彙を知っているか?
  • リスニング力:会議やメールのやり取りなど、音声情報を正しく聞き取れるか?
  • 読解力:ビジネス文書を読み、その内容を正確に理解し、質問に答えられるか?

TOEIC英語は、「ルールを理解すること」に重点が置かれています。いわば、「試合のルールを知っているかどうか」を問われているようなものです。高得点は、英語の基礎力がしっかりしている証です。

コンサル英語とは?

一方、コンサル英語では、単に「正しい」英語を使うだけでは不十分です。求められるのは、「効果的に伝える力」です。コンサルタントの仕事は、複雑な問題を解決し、その解決策をクライアントにわかりやすく伝えること。つまり、全く異なる以下のような英語運用力が必要になります:

  • 明確さと説得力:難しいトピックでも、誰にでも理解できるようにわかりやすく説明する力が必要です。ただ情報を伝えるのではなく、「信頼してもらえる説明」をすることが求められます。
  • 構造的なコミュニケーション:話すときも書くときも、論理的な順序でメッセージを構成する必要があります。結論を先に伝え、その後に理由や証拠を示す「ピラミッド構造」が基本です。
  • アクティブリスニング:会話の表面的な言葉だけでなく、クライアントの本当のニーズや不安を聞き取る力が必要です。この力が信頼関係を築き、より適切な提案につながります。
  • 相手に合わせる力:クライアントには、現場のマネージャーから経営陣までさまざまな人がいます。それぞれに合わせて、言葉遣いや説明の深さを柔軟に調整する必要があります。

まとめ:TOEIC英語とコンサル英語の違い

TOEIC英語

コンサル英語

重視する点: 正確性(文法・語彙) 重視する点: 効果性(明確さ・説得力)
目的: 英語力の証明 目的: 考えを明確に伝え、信頼関係を得ること
使用される場面: 一般的なビジネスシーン 使用される場面: クライアントとのやりとり
主なスキル: 情報の理解と再現 主なスキル: アクティブリスニングと戦略的思考

TOEICのスコアは、英語力の「基礎ができていること」を証明する素晴らしいスタート地点です。しかし、本当の意味でコンサルの現場で成功するためには、それを超えた英語力が必要です。大切なのは、「複雑なアイデアを、シンプルかつ説得力のある形で伝える」こと。そして、クライアントとの信頼関係を築くための戦略的なコミュニケーション力です。

これから英語力を伸ばしていくなら、単なる「正しさ」ではなく、「伝える力」「聴く力」「構成する力」を意識して練習してみてください。それこそが、真の“コンサル英語”です。